
今年収穫された五百万石の新米で仕込んだ、紀土の新酒第一号。
蔵の室温も高い暖かな時期での仕込みとなり、蒸米を冷やしたり氷を使ったりと、細やかな温度管理を行いながら丁寧に醸しました。
今年の米の特徴を探りながらの造りでしたが、麹の仕上がりも良好で、もろみからは想定以上のグルコースが生まれ、甘味と酸味のバランスが絶妙な一本に。フレッシュな吟醸香が広がり、口中にやさしい甘みと酸が調和し、余韻まで心地よく続きます。
蔵人にとって、毎年最初のしぼりはまるで我が子の誕生を迎えるような緊張と喜びの瞬間。
今年もまた、丹精込めて仕上げた新酒を皆様へお届けします。
新米の瑞々しさと、紀土らしいやわらかで穏やかな味わいをぜひお楽しみください。