相原酒造が蔵を構える仁方から安芸津にかけての瀬戸内沿岸は、花崗岩層を通った全国屈指の超軟水に恵まれた土地。
かつて灘の宮水のような硬水が酒造りに適するとされていた時代、安芸津の醸造研究家・三浦仙三郎氏は、地元の軟水を活かした「軟水醸造法」を確立しました。広島吟醸の原点となったこの技術は、相原酒造にも伝統として受け継がれ、今日の酒造りの確固たる礎となっています。
現在では、この軟水がもたらす柔らかく優しい質感を大切に、芳醇な味わいから淡麗辛口など、さまざまな酒質を巧みに作り分けています。
品質第一を徹底した酒造り
相原酒造が知名度を大きく高めたのは、1985年のこと。鑑評会での金賞受賞をきっかけに、当時の吟醸酒ブームも後押しし、蔵の在庫がすべて一か月で完売する出来事がありました。
この経験から、「良い酒を造れば、きちんと評価してもらえる」という確かな手応えから4代目蔵元・相原準一郎氏は酒造りの方針を一新。
新たな杜氏を迎え、設備を拡充するなど、蔵内の改革に踏み切りました。
どうすればもっと美味しくなるか、どうすればさらに上を目指せるか。これらのことをひたすらに考え抜き、とにかく味・品質を追求した、品質第一を貫く酒造りが始まります。
その中で掲げられたのが、全品を大吟醸並みの造りで醸すこと・全品を冷蔵で保存すること・そして最上の原材料だけを用いること、これら3つの原則。
この考えは現在も一切ブレることはなく、相原酒造の高品質な酒造りの根幹として根付いています。
兵庫県特A地区産の山田錦や愛山・岡山県赤磐産の雄町・地元広島産の八反錦といった最高品質の酒米と、瀬戸内海国立公園・野呂山から流れ出る清らかな伏流水。これらの材料を用いて、徹底した温度管理のもと、広島の地に受け継がれる伝統的な軟水醸造法で丹精込めて醸される銘酒『雨後の月』。全国新酒鑑評会での金賞受賞や、数々の商品による海外の鑑評会での受賞歴など、国内外を問わず日本酒ファンや業界のプロから高い評価を獲得しています。
呉・仁方の小さな蔵から始まり、全国、そして世界へと羽ばたいた『雨後の月』。
伝統の技と変わらぬこだわりが醸し出す、澄み切った一献をぜひお楽しみください。