福島県郡山市の中心市街地から離れた、山間にあるのどかな田村町。1711年より老舗蔵『仁井田本家』が代々酒造りを営んでいます。
蔵では「日本の田んぼを守る酒蔵になる」という使命を掲げ、
田んぼや水を守り、お酒と人を育て、みんな(造り手・飲み手)が集う蔵を目指し、次の世代へつなぐ、環境にとことんやさしい酒造りをしています。
自然に磨かれた原料だけで醸す
仁井田本家の酒
仁井田本家は100%自然米、100%純米造りをする日本初の「全量自然米蔵」。さらに生産する酒母の全てが酵母添加なしの超自然派。
現代の醸造法では到達できない味とロマンを求め、仁井田本家にしか出せない味を追求し続けています。
田をまもり、水をまもる
農薬・化学肥料不使用の自社自然栽培田をはじめとし、県内外10の生産者と契約栽培。
稲わら・もみ殻・畔の草など、田んぼから採れたものだけを肥料として田んぼに返す「無肥料自然栽培」。
草取りも中野式除草(雑草が生える前に泥から小さい芽を掻き出す除草方法)と、かぶとえびを採用。
取れた米は有機農産物としての認証も取得しています。
約6ヘクタールの広い自社田にて栽培される酒米は、「雄町」や「神力」といった古代品種。
仕込み水は、自社田近くの「竹の内の井戸水」と、自社が保有する山から湧き出る「水抜きの湧水」2種の天然水を使い分けています。
洗米や洗瓶による廃水の処理も、厳しい水質基準に対応する設備を備え、洗米や、タンクの洗浄なども天然水で行うという徹底ぶりです。
「超自然派・無添加の酒」へのこだわり
「にいだしぜんしゅ」は全量が酵母無添加の生もと造り。蔵に棲み着いた酵母や乳酸菌だけで酒を醸す非常に難易度の高い手法です。
というのも、発酵途中でアルコールが生成しきれていない醪は、雑菌が入り込み易く最悪の場合腐ってしまいます。
これを防止するため、蔵の中は常に極めて清潔な環境に保たれており、中でも酒母を育てる酒母室は徹底管理されています。
クリーンな環境で生み出される健全な酒母は、しなやかな強さを備え、醪の土台として力強く発酵します。
自然界に寄り添い、共に酒を醸す仁井田本家。自然の力を最大限に活かすためにも、人力は惜しみません。
自給自足の酒蔵・自給自足の町づくり ~真に豊かな田舎へ~
酒造りの原料となる米や水だけではなく、醸造に使用する木桶までもが自社生産。16代目蔵元が自社山で林業を営むために植えた杉や、
自社山に生える竹を原料に、蔵人と地域の職人さんたちが協力して木桶を製造。
まさに「自給自足の酒蔵」を目指す仁井田本家ならではの取り組みです。
木桶造りで出た端材は木桶の蓋や養蜂用の巣箱にするなど、受け継いだ資源を大切に使用し、
さらには次の世代へ伝える。それがよりよい循環を生み、自然や町を豊かにしていくと仁井田本家は考えます。
また来たい“みんなの蔵”へ
また、仁井田本家では定期的に蔵に足を運んでもらえるよう、様々なイベントを開催しています。
蔵でできた酒や食品、地域の農産物を買えるイベントやワークショップ、さらに米造り体験などとその内容は多岐に渡ります。
これは「格式が高く近寄りがたいと思われがちな酒蔵のイメージを払拭したい」という考えと、「造り手が見える、お客様が見える物造り」への想いから。
造り手と飲み手が密につながり、人の動きを生む。その中で育まれる空気や関係が、また酒を育てていくのです。
2011年に300周年を迎えた仁井田本家。「今できることはなにか、そして受け継いでいけることはなにか。」
300年前の製法に立ち返り、次の100年さらにはその先を見据え、継承とアップデートを日々続けています。
元気な田んぼや豊かな山、そこから生まれる伝統的な自然酒造り。先代達から渡された数々の「良いバトン」を次の世代につなぎたい。
飲み手はもちろん、地域や環境、未来までをも思いやる「仁井田本家の酒」は、脈々と飲み継がれ、多くの人に愛され続けています。
Contact
Name 仁井田本家
Location
福島県郡山市田村町金沢高屋敷139
brand にいだしぜんしゅ