創業1837年(天保8年)。かつて、高瀬舟が米や材木を運んでいたと言われる揖保川のほとり、旧城下町である
兵庫県宍粟市山崎町にある蔵元で、「播州一献」は造られています。この宍粟市は旧播磨国に属しており、現在の姫路市の北部にあたります。
周りを山に囲まれているこの地は、夏はやや暑く冬は寒くなる、いわゆる盆地となっています。
蔵を構えている兵庫県播州地方は、日本を代表する酒米「山田錦」「夢錦」を産する日本で屈指の酒米産出穀倉地帯。
仕込み水には、創業当初よりこんこんと沸き出でる地元天然水を使用しています。この大切な恵みを「手間・ひまを惜しまず」
の信条のもと、すべて手造りにこだわり時間をかけ情熱を注いでいます。主な原料米としては、五百万石系統の早生品種である”北錦”と”播州産山田錦”。
希少米で名高い”愛山”や”雄町”など柔軟に酒米を使い分けています。
明壽(めいじゅ)蔵とは、山陽盃酒造より車で約1時間。兵庫県は養父市にあり、かって錫を産出していた明延鉱山内に構えています。
鉱山の中にあるので気温の程は年間を通して、およそ9℃前後。夏はひんやりとしていて冬は温かい空間で、普段は真っ暗です。
温度が一定に保たれているこの天然の冷蔵庫は、日本酒をじっくりと熟成させるのに適切な環境です。
時の匠により、かけられた技は他では味わえない舌に馴染むようなまろやかさと、丸みのある味わいを生み出します。
「手間・ひまを惜しまず」この信条により積み重ねられた様々な技が、米・水・時間の調和のとれた深い味わいと
旨みのある酒がこの蔵の特徴です。
2013年までは但馬杜氏を招いて酒造りをされていましたが、杜氏がご高齢により隠居。同年より蔵元の息子さまである壺阪雄一さんが杜氏となって、
個性的な味わいを目指した酒造りをおこなっています。